すぎやまりょうこ
鳥取市出身。若い頃はバックパックを背負い、世界各地を旅する。2017年、家族で岩美町へ移住。その後、鳥取市内の造園会社に2年ほど勤め、造園や外構の仕事を学ぶ。その経験のなかで環境への負荷についても考えるようになり、現在は庭づくりや剪定、土地おこしなど、自然と暮らしのあいだにある仕事をしています。
庭づくり / 剪定 / 土地おこし / お茶会 / イラスト
about
自然から糧を得ること。
暮らし、手を動かしながら、考えてきたこと。

2017年、鳥取県岩美町に移住しました。
ここに来る前から、
やってみたい暮らしがありました。
山や海の近くで、
自然から食べるものを得ながら暮らすこと。
そんな暮らしのできる場所を探して、
たどり着いたのが、
りょうこの実家にも近い、この小さな集落でした。

自然から、少し分けてもらう
山に入って、山菜を採る。
木の実を拾う。
きのこを探す。
海に潜って、魚を突く。
山では獣の痕跡を探し、
罠を仕掛ける。
何かを育てることよりも、
すでにそこにあるものを見つけることに、
わたしたちは惹かれました。
でも、実際にやってみると、
自然から食べるものを得るのは、
思っていたよりずっと難しい。
どこにあるのか。
いつ採れるのか。
去年あった場所に、
今年もあるとは限らない。
海に行っても、何も獲れない日がある。
獣はもちろん、こちらの都合では動いてくれません。
自然から食べるものを得る。
それだけで生をつないできた人たちは、
いったいどれだけ自然のことを
知っていたんだろう。
「これって、弥生というより縄文なんじゃない?」
そんなところから、
縄文のことを少しずつ調べるようになりました。




感観考動
縄文について学んでいくことは、
自然について考えることにつながりました。
自然から糧を得て生きていた縄文の人たち。
彼らのあり方を想像することは、
私たち自身の自然の捉え方を
考え直すことにもつながりました。
もちろん、縄文の人たちが
どのように自然を捉えていたのか、
本当のところはわかりません。
ただ、自然から糧を得ることが
生きることに直結していた彼らにとって、
身のまわりで起きていることを感じ取り、
読み取ることは、
今よりずっと切実なことだったはずです。
草木の様子、風の動き、
音や匂い、季節の変化。
身体を通して感じるものから、
私たちよりもはるかに多くのことを
受け取っていたのではないか。
私たち人間は、
言葉を使い、考えることができます。
それは、人間が長い時間をかけて得てきた
とても大切な能力です。
けれど、言葉で名前をつけ、
頭で理解しようとすることは、
ものごとを分けて捉えることでもあります。
自然について考えるとき、
自分自身も自然の一部であるはずなのに、
いつの間にか自然の外側に身を置いてしまう。
だから、考える前に、まず身体で感じる。
そして、よく観る。
そこから考え、動く。
そうすることで、
縄文の人たちが持っていたかもしれない感覚に、
少しでも近づけるのではないか。
そんなことを考えて、
この言葉をつくりました。


暮らしから、仕事へ
この場所で暮らしはじめてから、
自分たちで手を動かすことが増えました。
山に水源を探し、
水を引く。
家をなおす。
どれも、最初からやり方を知っていたわけではありません。
わからなければ調べる。
人に聞く。
教えてもらう。
そして、自分たちでやってみる。
やってみると、
また、わからないことが出てくる。
そうやって少しずつ、
できることが増えていきました。
暮らしのためにやっていたことと、
人から頼まれてやること。
その境目も、いつの間にか
あまりはっきりしなくなりました。
今は、
土地と水、庭と草木、家と暮らしに関わる仕事をしています。
仕事になっても、
やっていることの根っこはあまり変わりません。



まのいいりょうし
「まのいいりょうし」は、
子どものころに好きだった絵本の名前です。
母親に何度も読んでもらった、
『まのいいりょうし』。
猟師が、息子の七つのお祝いに
何か旨いものでも食わせてやろうと猟に出ると、
次から次へと獲物がとれる。
そんな「まのいい」お話です。
でも、この話のいちばん「まのいい」ところは、
たくさんの獲物がとれたその日が、
ちょうど息子のお祝いであったこと。
家族だけでは食べきれないほどの獲物で
ご馳走をつくり、近所の人たちを呼んで、
みんなで盛大にお祝いをする。
「まがいい」といえば、
運がいい、タイミングがいい、ということなのだと思います。
でも、ただ自分にいいことが起きる、というだけでは、
少し違う。
ひとつの出来事と、
もうひとつの出来事が出会って、
そこから次の何かが生まれる。
人と人でも、
人とものでも、
人と土地でも。
自分だけで次を決めるのではなく、
関わるものとの間で、
次の動きが決まっていく。
こちらが何かをすると、何かが起きる。
それを受けて、こちらもまた動く。
そういう関わりがつながって、
思ってもいなかったところへ
発展していくことがあります。
そんなときに、
「ああ、まがいいな」
と思うのかもしれません。
自分たちの名前を考えたとき、
そこまで考えていたわけではありません。
ただ、好きだった絵本から、
名前をもらいました。
「ま」って、なんなんだろう。
今でも、よくわかりません。
でも、「まのいいりょうし」という名前は、
今のわたしたちにも、けっこう合っているようです。

わたしたち
鳥取市出身。若い頃はバックパックを背負い、世界各地を旅する。2017年、家族で岩美町へ移住。その後、鳥取市内の造園会社に2年ほど勤め、造園や外構の仕事を学ぶ。その経験のなかで環境への負荷についても考えるようになり、現在は庭づくりや剪定、土地おこしなど、自然と暮らしのあいだにある仕事をしています。
庭づくり / 剪定 / 土地おこし / お茶会 / イラスト
千葉県浦安市出身。WEB、音楽、ものづくりなどを経て、
2017年に岩美町へ移住し、
「まのいいりょうし」を立ち上げる。
内装、外構、木工など、つくる仕事全般を担当。
風博士として音楽活動も行う。kazehakase.jp
内装 / 外構 / 木工 / 狩猟採集 / WEB / 音楽