TRACE—02

庭と草木

A lotの庭

新しい場所で開店することになった、
ケーキとカフェのお店 A lot。
「将来、森のような庭にしたい」というところから、
この庭づくりは始まりました。

2022.04 — 05

01

森のような庭。

森の小道を抜けると、 その先にケーキ屋さんがある。

そんな景色を思い描いて、 庭づくりが始まりました。

もともとの地面は、 砕石が混じり、固く締まった状態。

木を植える前に、 まず、この場所の土から考えることにしました。

施工前のA lotの庭

02

水と空気の道をつくる。

最初につくったのは、 地面の下の道。

溝を掘り、U字溝を逆向きに据えて、 水と空気が流れる空間をつくります。

水をただ外へ逃がすのではなく、 土の中にも巡っていける余地を残す。

木を植えるより前に、 まず地面が動ける状態をつくっていきます。

暗渠のために掘った溝
逆向きに据えたU字溝

03

土を叩いて、道をつくる。

暗渠の上には、 お店へつながるポーチとアプローチを。

真砂土に石灰とホワイトセメント、 骨材として藁を混ぜます。

コテできれいにならすのではなく、 土間叩きの要領で仕上げました。

少し不揃いな表情が、 この場所には似合う。

いつか木々が育ったら、 森の小道を抜けて お店へ向かうように。

アプローチの材料を混ぜている様子
土間叩きの要領でアプローチを施工している様子
仕上がったポーチとアプローチ

04

呼吸する駐車場。

駐車場も、 強く転圧して固めるのではなく、 水と空気が動ける地面に。

石や木を使いながら、 車の荷重を受け止める下地をつくります。

車が乗れることと、 地面を塞がないこと。 その両方が成り立つ場所を考えました。

呼吸する駐車場について
A lotの呼吸する駐車場の施工

05

山の土をつくる。

森のような庭にするなら、 地面の中も、できるだけ山のように。

ポーチとアプローチのまわりを深く掘り、 朽木や石、落ち葉などを 層にして重ねていきます。

山では、倒れた木も落ち葉も、 やがて次の土になっていきます。

そんな環境を地面の中につくり、 その上に植栽のためのマウンドをつくります。

植栽部分を深く掘っている様子
地中に朽木を入れている様子
朽木や石、落ち葉などを重ねた地中の層
植栽のためにつくられたマウンド

06

コンクリートの下にも、呼吸を。

駐車場へつながる車の道には、 コンクリートが必要でした。

でも、一面をそのまま コンクリートで覆ってしまえば、 その下の土は呼吸ができません。

下の土を活かしたまま 土間打ちできる下地をつくり、 最後は洗い出しで仕上げました。

土を活かすためにつくった車用アプローチの下地
洗い出しで仕上げた車用アプローチ

07

木を植える。

地面をつくり、 道をつくり、 最後に木々を植えていきます。

庭の完成というより、 ここから始まるための植栽です。

A lotの庭に木々を植えている様子
植えた当時のシンボルツリーのフウ

シンボルツリーは、フウ。

森のような庭の中心になる木として、 一本のフウを植えました。

まだ若いこの木も、 庭と一緒に、 これから育っていきます。

ひとまず、人の仕事はここまで。

施工後のA lotの庭

庭づくりに力を貸してくれた人たち

コツコツ / とくさ屋 / まのいいガールズ、 そしてたくさんの助っ人のみなさん。
ありがとうございました。

08

それから。

時間が経ったA lotの庭

草が生え、木が育ち、 落ち葉が積もる。

人がつくったものと、 この場所で育ったものが、 少しずつ混ざっていきます。

森のような庭へ。
まだ、その途中です。